LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

どこに行ったんだろう。

窓の向こうは晴れ。

青いキャンパスを泳ぐ白い雲が綺麗。

ーーブーッブーッ

空に見入ってると、携帯が震えた。



「もしもし…」



『聖美だよーんっ!』



相手を確認せずに出たけど、自己紹介がなくとも、声でわかる人。

聖美だった。

可愛らしい声が、耳に届いた。



『咲恵子、今日は休みなの?』



「うん。熱が出ちゃって」



“代わって”と言ってる、千景と奈緒香の声が聴こえる。

休んだ私に連絡をくれるなんて、優しい3人だよね。

今まで、そんな事はあり得なかったから。