「じゃあ、あんたはエリックの何を知ってんの?」



「19XX年…4月3日生まれ…。お父さん似で…いつも……助けてくれて…。5才の時……私を庇って…腕に大怪我をして…、6才から…空手を始めて……」



「咲恵子っ!喋んない方が良いよ…!」



酸欠で、頭がボーッとする。



「保健室に運ぼう!」



「あいつらのせいで、最悪だな」



奈緒香と千景に支えられ、教室を出た。

廊下に立ち尽くしたエリックが居たけど、それどころじゃない。

とりあえず、落ち着かないと。

興奮し過ぎてしまった。

―――私、エリックとの事、忘れてないよ。

エリックはいつも助けてくれて。

スーパーマンみたいなんだから。