いじめがない世界に行きたい。

だけど、それが出来ないなら…。



「どうするって、別に?」



「造花を飾る的な?(笑)」



私はある日を思い出した。

机に、花瓶に挿した造花を置かれた日を。

やられなきゃ、わからないんだ。

私は後ろのロッカーにあった花瓶を手にして、“造花を飾る”と言った女の子の机に置いた。



「何、意味わかんない事してんの?もしかして、あんたも馬鹿だった?(笑)」



「死んで下さい」



「は…?」



「咲恵子?」



「貴方が死んでみたらどうですか…ッ!?」



涙を流しながら怒鳴る私の声は、きっと廊下まで響いた。