ホテルを出て、今はおじさんの家に居候中。

母親が会社を引き継ぐ間、エリックの退院の日まで、面倒を見てくれてる。

でも、何かしたくて始めた家事。

料理もお菓子作りも、した事なかったのに、今では虜。

キッチンに居る時間が楽しい。

「美味しい」と食べてくれるエリックの横顔が、本当に大好き。



「明日は何にしようかな」



「……アップルパイ」



「え?」



「昨日、夢で見た。オッサンが、俺と女の子…多分、お前にアップルパイをくれた」



…エリックと、私に…?