何年でも何十年でも気にしない。

エリックがいつか、記憶を取り戻せたら、嬉しい。

その間の時間も、無駄にはならない。

一緒に居たい。

隣で、笑って居て欲しい。



「私、病室に戻ります」



「…サッコ」



「ん?」



「ゆっくり休めよ」



「ありがとう」



おじさんに見送られ、私はエリックの病室を出た。

自分の病室へと戻るなり、ベッドに潜り込んだ。

前向きに考えても、寂しい気持ちは、少なからずあった。

でも、心強く感じてるのは、父親のお陰なんだろうか。