「“誰だ”って、訊いてんだけど?」



「……私は、高槻咲恵子。貴方はエリック。幼なじみだよ」



迷いながらも、私は自分とエリックの名前を教えて、“幼なじみ”と告げた。

彼女なんて言われても、今のエリックは、理解が出来ないと思ったから。



「…悪い。わかんねぇ…」



「ゆっくり、思い出してくれたら良いよ」



抑制帯をされるほど、暴れた筈のエリック。

でも、優しいまま。

さっきはただ、パニックになっただけだよね…?