LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

窓から入る風で、千羽鶴がカシャカシャ音を起てて揺れる。

私はエリックの手を両手で包み込んだ。

男らしく大きい手。

でも、柔らかい、優しい手でもある。



「サッコ。飲むか?」



どこからか戻って来たおじさんは、イチゴオ・レのパックジュースを私にくれた。

「ありがとう」と受け取り、ストローを挿す。



「あまり長居はするなよ?サッコも、まだまだ休まないとな」



「私は大丈夫だよ。明後日には、退院するんだから」



術後から2週間で、体調も良く、退院が決まった。