LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

「…どうして、暴れたの?」



「それは…」



おじさんは自分が座ってた椅子に私を座らせると、千羽鶴を出窓のカーテンレールにぶら下げた。

ため息を吐きながら、ベッドに腰を掛けると、私をチラッとだけ見て、エリックを見た。



「こいつな…事故の瞬間しか記憶にないんだよ。他の記憶が抜けてて、俺たちに…“触るな”って、暴れた」



「…そんなッ…」



“記憶が抜けてる”?

おじさんたちだけじゃなく、私も…?