LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

ーーコンコンッ

病室の前に着きノックをすると、おじさんの声で返事が聴こえた。



「失礼します…」



「おぉ、サッコ」



中に入ると、おじさんは疲れた表情で、私を見た。

…エリック…。

ベッドに眠るエリック。

まだ点滴は繋がったまま。

でも、布団から出た手を握ると、温かかった。

しかし…暴れたのか、抑制帯で、手足をベッドに縛られて居た。



「今、薬で寝てる。暴れてな」



やっぱり、暴れたらしい。