軽く手を添えるようにしてると、おじさんが私の頭を撫でた。

窓からの陽を感じないのは、夜だからだろうか。



「エリックが今…意識不明なんだ…」



「…えッ…?」



…意識不明って…。

父親の死を聞かされたばかりなのに、どうして…?

もしかして、一緒に?

一緒に居る時に、事故に遇ったの…?

…私…。

私…エリックが苦しい時に何で…ッ!!



「エリック…エリック…っ……」



「咲恵子…泣かないで…。
今は休まないとダメよ…!」



「でも…でも…エリック…!!」



彼女なのに。

何も言えなかったなんて…。