「サエちゃん…?サエちゃんが生きる意味は、一つじゃないの…」



「…家族や…おじさんたち…ですか…?」



「ううん。薬を止めた、本当の理由よ」



私は体を起こされながら、看護師さんを見つめた。

おじさんとアイコンタクトをし、頷き合った看護師さんは、ゆっくりと口を開いた。



「サエちゃんのお腹に、赤ちゃんが居るの…。まだ悪阻などの症状はなかったけど、毎日、検査をしてたから、わかったみたい…」



…どういう事…?

私は生きなきゃいけない。

おじさんだけが慌てて来て。

妊娠をいきなり告げられて、私にどうしろと…。