LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

「お母さん…」



『何?』



「…何でもない…」



さっき、決めたのに。

エリックに連絡を取って貰おうなんてダメ。

父親も、仕事に戻るんだから。

窓の空が気になる。



「…死の合図…?」



『咲恵子っ!!』



母親に怒られ、口を閉ざした。

下唇を噛み、痛みを感じて、“生きてる”と自分に教えた。



『――高槻さんッ!!』



上がりっぱなしの受話器から、母親を呼ぶ誰かの声が聞こえた。

母親はその人に駆け寄ってしまい、私は1人、戻って来るのを待った。

隣接するナースステーションからは、バタバタと激しい足音。