LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】




「いつもすみません」



「大丈夫よ?ナースステーションまで取りに来てくれるし、サエちゃんは気にしないで!」



交換日記を看護師さんに預ける時、いつも申し訳なく思う。

自分で渡せれば、みんなにも病院に取りに来て貰う手間も省けただろうに…。

でもそれじゃあ、交換日記がいらなくなっちゃうんだけどね。



「サエちゃん!あそこ!」



「え?」



看護師さんがブラインドを上げた窓の向こうに、何かを発見した。

ベッドから起き上がり、看護師さんの隣に立ち、下を向くと、聖美と将希君が居た。