晴れ渡った空の下で、私は思いっきり息を吸い込んだ。
移植に同意し、本格的な準備に入る前に、半日だけ外出許可を貰った。
これも危険な行為だけど、かなりせがんだ。
「お待たせしました、お嬢様」
「おじさん、止めてよ!“お嬢様”なんて…;;」
父親に代わり、おじさんにお迎えを頼んだ。
それは、エリックに会いに行く為だけに。
移植する為、入院して、ドナーを待つ事。
もしかしたら、アメリカに行くという事。
私はまだ、それにこれからもエリックを好きだと伝えるには、おじさんにマンションへ連れて行って貰わないと。