しゃがんで奈緒香の肩を抱いた西ヶ谷君。

奈緒香は西ヶ谷君の腕にしがみ着きながら、また口を開いた。



「羨ましかった…っ…。聖美だけじゃなく…、咲恵子も…エリックと…、素直に…仲良く…過ごせてて……ッ゛……」



妬いてたのは、私じゃなくて、奈緒香。

本当に気付いてたのは、奈緒香だったんだ。

私は悲劇のヒロインにでも、なった気だったかも知れない。



「…ごめんね…。私のせいだった…」



友情よりエリックで。

友情のあり方を、勘違いして覚えてたみたいだ。



「咲恵子は悪くないよ!」



聖美はこんな私にも、優しくしてくれるんだね…。