「サエちゃん。体が大丈夫なら、納得が行くまで話なさい」



「でも…」



「責任は私が取る!但し、興奮しないようにね?」



私を助けてくれた看護師さんに、また助けられた。

私の背中を押し、ドアを締める看護師さん。

室内を見ると、奈緒香がしゃがみ込み、西ヶ谷君のジャージを掴みながら泣いて居た。



「……私が…妬いたら…っ…、…友達が…減るかもじゃん……。女友達も…大切だって…言ったじゃん……」



…奈緒香。

私は馬鹿だね。

奈緒香が西ヶ谷君を想う気持ち、忘れてた。

そして、奈緒香の西ヶ谷君への優しさに、気付けなかった。