「10分だけ。移植を本気で考える。それが条件。酷いようだけど、生きて欲しいんだ」



「…はい。従います」



私はしっかりと頷いて見せた。

移植だって、生きる為には考えないといけなかった事だしね。



「よし!じゃあ、明日か明後日の17時から18時に許可をしよう。看護師には、報告を忘れずに」



「ありがとうございますっ」



私は先生を見送って、すぐに聖美へメールを送った。

≪明日か明後日の、17時〜18時までの10分間なら大丈夫だよ!≫

≪了解!明日、17時に行くからね!≫

聖美からすぐに連絡が来た。

私は楽しみ半分、不安が半分だった。

…奈緒香、来るかな…。