エリックは、目の前に伸びる柱に拳を突き付け、床へと座り込む。



「…悪いが、聖美ちゃんたちは帰ってくれるか」



「はい…」



「ローズにも、エリックは俺が預かると」



「わかりました…」



親子だけにしようと、私と将希は病院を出た。

小林先生に見送られ、家を目指す。



「辛いな」



「毎日…病院に通う…」



「俺も付き合うよ」



寄り道した公園で、将希の腕の中で涙を溢した。

…咲恵子が元気になりますように…。

ただ、それだけを祈って。

私の元気、分けてあげるから。