「これ飲んだら帰れ。夏井たちが居ても、今はどうにも出来ないからな」



小さいペットボトルのお茶を受け取り、ゆっくりと飲む。

まだ、帰りたくなかった。

出来るなら、会えるようになるまで居たかった。



「…親父」



エリックの覇気のない声が聞こえたと思えば、ものの数分で、生気を失ったような顔をした、おじさんが、処置室から出て来た。



「お前は…お前の愛は、どんだけちっさいんだよ」



「……」



「サッコが死んだら、親だろうがお前を殺す…っ」



あまりの怖さに、私たちまで息を飲んだ。