「咲恵子…!咲恵子…!」



「落ち着け、夏井」



目の前に横たわる咲恵子。

顔が蒼白く、冷たくて、生きてるかすらわからなくなる。



「遅くなりました…っ」



車が勢い良く停車した音に振り向けば、ナース服を着て、紺のカーディガンを羽織った人。

コスプレではなく、本当に看護師さんが、現れた。



「サエちゃんわかるー?今から病院に行くからねー」



「車はOKです」



「ん。とりあえず点滴と毛布。
病院とご家族に連絡を入れて」



「わかりました」



ドラマで見るような光景を、私たち3人は、呆然と見て居た。