LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

「先生…私…」



「え?」



棄権となる行為。

私は、小林先生の腕を掴み、足を止めた。

カン…ッと、激しい音を起てて、地面へと落ちた酸素ゴンベ。



「高槻!高槻、しっかりしろ!」



道脇に運ばれ、大きな声で呼ばれるも、世界が回って見えた。

携帯で、保健室で待機してる看護師さんを呼び出す声が聞こえる。



「すぐ来てくれるからな!」



タオルで汗を拭ってくれてるのがわかる。



「先生…」



「何だ」



「私が…これで死んでも、…先生は悪く…ないですからね…?」



「馬鹿か!」



「死なせるか!」と、付け足した先生の声は、怖くもあった。