LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

「千景、お先に!」



「え?あ、西ヶ谷までー!!」



「……ッ」



千景はどうやら、西ヶ谷君と走ってたらしい。

追い掛けっこの延長なら、私の勘違いで済むんだけどなぁ。



「高槻!なかなか速いな!」



そこへ、皆藤先生が現れて、私は心に余裕がなく、聞こえなかったフリをして、離れた。



「あまり無茶すんなよ?」



「わかってます…」



小林先生の言葉は手遅れで。

先生が腰にぶら下げてたらしい、酸素ゴンベを口に宛てながら走る。



「よしっ!折り返しだ!」



赴任して来てから、大会の為にもマラソンを始めた小林先生。

“ハーフマラソンは、楽勝”っ断言していただけあって、まだまだ平気な様子。