LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

「呼びに来た子から、話は聞いたよ。高槻さんは、どうしてもマラソン大会に出たいみたいだね?」



看護師さんに話してたお陰で、スムーズに話に入れた。

一からだったら、諦めて帰ってたかも知れない。



「…もちろん、無理は承知です。でも、未練なのか、いきなり辞めたのもあって、“走りたい”って、強く思うんです」



「前の主治医の方は、無理に反対しちゃったか」



沈黙が包み、どこかで騒ぐ子供の声が聞こえる。

…ダメ、だよね…。



「よし、わかった」



しかし、先生は何かを閃いたかのように、私に優しい笑みを見せた。