LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

「何だアレ…」



男子に呼ばれて去って行く皆藤先生の背中を見ながら、エリックが呟いた。

「実はね…?」と、小林先生から聞いた話をすると、エリックは眉間にシワを寄せながら、上体を起こした。



「どうかした?」



私たちを気にしてか、有沢さんがやって来た。

エリックが話すと、「本当なの?」と、驚いた様子で、私を見て来た。



「…うん;;」



「皆藤もやるね」



有沢さんは、皆藤先生の走る姿を見ながら、呆れたようなため息を溢した。

私よりも盛大なため息を。



「先生が生徒を困らせてるね」



人の気持ちに立てる有沢さんて、凄いな。