「は?おい、何だソレ」



私の布団を捲ろうとするエリック。

でも、阻止した。



「夏井、そっとしといてやれ。
夏井が、高槻の気持ちがわかるまでな」



小林先生も止めてくれて、私は布団を掴む手の力を緩めた。



「意味わかんねぇ」



エリックは、怒ったような声でそう言って、保健室を出て行った。

「エリック!」と、追い掛けて行く有沢さんの声は、私の胸を刺す。

…馬鹿だよね、私…。

素直に言えず、エリックを怒らせて。

でも、聞いて嫌われても嫌な私には、どうする事も出来なかった。