LAST LOVE〜命を懸けた42.195km〜【完】

「卑怯者…っ」



解放された私は、唇を尖らせながら、膨れた。

…ズルいよ。

赤くなるのは、当たり前でしょ?



「そこのバカップル!見つめ合ってないで座れば?(笑)」



「キスするんなら、後ろ向くけど?(笑)」



西ヶ谷君と将希君のからかいは続く。

でも、私には関係ない事を言って欲しい。

みんなを見れなくなり、エリックの背後に隠れる。

すると、ぎゅっと手を握られた。



「こいつをからかうな」



「庇ってる?それとも、独占欲?」



「…どっちでも」



千景のからかいは、エリックを黙らせてしまった。