振り返る事が怖い。

目撃したくない。

そう、弱虫な自分が嫌い。



「咲恵子?どうしたぁ?」



「ううん…何でもないよ?」



聖美には話せない。

いつか、笑い話になるまでは。

親友とか友達とか、私はあり方をわかってないよね。

ダメだとわかってるのに。



「何かあったら、私に言ってね?」



「ありがとう、聖美っ」



2人で顔を見合せ、頷き合ってから、自習用のプリントをやる事に。

シャーペンの芯を出しながら、問題に目を向ける。



「1年のだね」



「…わかんないよぉ」



簡単なのに、聖美は躓いて居た。