とろとろ通学路を歩いていると頬に冷たいものが触れた。
顔を上げれば、
「綺麗……」
雪が降っていた。
何年振りかな…
久しぶりに見た雪に、柄にもなく喜んでると
「おはようっ!!」
後ろから威勢の良い声がして、体に衝撃が走る。
「…強く押しすぎ」
「ごめん、ごめーんっ!!」
朝から元気なこの子は、浅倉(アサクラ)ここあ。
可愛らしい名前に負けない、愛らしいルックス。
その元気、分けてくれないかな。
「それよりさ、ちょっとぉ…っ!!」
「イタ…」
聞いたわよぉ〜…とか言いながらあたしに体当たりしてきた。
何キャラ…
完璧にやじ馬のおばさん状態。
「岡安(オカヤス)君と寝たってマジぃ〜!?」
「岡安?」
「2年B組岡安蓮斗(レント)…!
容姿端麗、頭脳明晰…完璧なのに女に興味無しの“氷王”だよ!!楓くんの次に人気の王子サマ!!!
そぅか〜…なるほどね〜…亜莉沙狙いだったんだー!!」
ああ…アイツ、岡安っていうんだ。
いきなり来て三万でどぉ?…だもん。
顔は知ってたけど、名前は知らなかったなあ。
ここあのマシンガントークに曖昧に相槌を打っていると、学校に着いた。


