｢ぇ、何、今更？｣
｢うん、今更｣
｢言わなかったっけ？名前｣
｢さぁ？｣
｢さぁ…って。話聞いてないでしょ｣
｢ごめんちょ｣
｢謝る気ある？｣
隣でぷりぷり怒ってるイケメンを放置していると、ようやく収まってきたみたい。
早く名前教えてほしいんだけどな。
｢佐渡颯(ｻﾜﾀﾘ ﾊﾔﾃ)｣
｢改めてよろしく、颯｣
｢こちらこそ、亜里沙｣
……ん！？
｢呼び捨て！？｣
｢そっちこそいきなりじゃん｣
｢あ…｣
隣で颯が肩を震わせている。
こっ…んの！！
笑ってるってバレバレだっつーの！
｢あーっ、おかしっ｣
｢…ぁ｣
こっちを向いた颯の顔はビックリするほど綺麗で、
ビックリするほどアイツに似ていた。
その颯の笑顔にドキンッ…っと心臓が反応する。
いや、正確には
『颯』に似た『楓』の笑顔を思い出して。
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