「で、なにがいい?」
かっこよくてかっこよくてかっこよすぎて。
見惚れてしまうほどイケメンで。美青年のなかの美青年で。
お互い水着姿でっていうかコーチにいたっては上半身裸で抱きあってるわけだから、腕とか肩とか、じかに肌に触れているところが体温を感じ取ってさらに熱くなる。
プールの水温が上がってしまうんじゃないかというくらい熱かった。
「私を、彼女にしてください」
熱さが私の脳を麻痺させたのか、私はそんなことを口走っていた。
梶原コーチの顔が見れなくて、コーチの肩越しに見える景色をただ眺めていることにした。
「…俺の?」
それでもコーチは私の顔をまっすぐ見てくる。

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