始まりはあの日、私、岡本栞(オカモトシオリ)は中学生になると同時に塾に通う事になった。

まぁ私は特別頭が良い訳じゃないし勉強が心配だし調度良かった。

中学生になって知り合った空(ソラ)と一緒の塾。

空は別の小学校から来て最初はあまりつるまなかったけど今では親友だ。

授業が始まるまで私は空とたわいもない話をしていた。

私は何気なく言った。

「あ〜あ、カッコイイ人いないかな〜…」

特に深い考えがあった訳ではなく本当ただ何気なく言った一言だった。

すると空は、

「あっ!空と同じ小学校だったんだけど、結構モテてた人この塾だよ?」

と笑顔で言った。

「鈴木雄斗(スズキユウト)っていうんだけどね、きっと栞また一目惚れしちゃうんじゃない?」

空はからかう様に言った。

「あははっ、どうかな〜ってかどの人?」

「まだ来てないよ〜」

それから私はまた空と話しながらその人の事を待った。

しばらく話していると…

「栞!来た!あの人だよ


私は空の指さす方を見た。

「おぉ…」

なんていうか…オシャレさんだなぁ…

最初に思ったのはコレ。

近くで見ると…なんていうか男の子なのにサラサラの髪とか整った顔とか…

結構いいかも…

「栞〜?また一目惚れしちゃったの〜?」

気付かない内に見とれてしまった私に空がからかいながら笑いかけた。

「ちっ…違うよ!ただちょっといいな〜と思っただけで…」

「はいは〜い」

空との話を続けていると彼は斜め後ろの席に座った。

(後ろじゃなくて前に座ってくれたら良かったのにな〜…)

頬杖をつきながら思った。

その日は授業にあまり集中できず斜め後ろのその席を気にしてばかりいた。

(彼女とか…いるのかな〜)

考える事は彼の事ばっかり。

(あんなに良い顔立ちしてるんだし…彼女くらいいるよね〜…)

そう思うとなんか切なくなって胸が痛くなって…

気付かない内に私はまた恋に落ちていた。

塾で会える日は週二日とは少ない。

いつしか私は彼と会えるこの二日が特別な日になっていた。

前よりは話も出来るようになり私と雄斗は《友達》になれた。