私がそう言った瞬間、橘君の瞳が寂しそうに揺れた。
「あっ…」
「やっぱり、皆おんなじことを言うんだね」
寂しそうな瞳のまま橘君は言葉を続けた。
「…ごめん。
皆が、貴方の事を格好いいって」
「皆が言うからキミも言うの?」
そう聞かれて、答えに戸惑った。
だって、格好いいって言われる事は、嬉しい事だと思っていたからだ。
「えっ…と」
「皆、そうやって俺を小分けするんだ。
別に格好いいって言われて威張ってんじゃない。
ただ、そうやって見た目だけで判断されるのが嫌なんだ。
皆がホントの俺を見た時、果たして今までとおんなじ態度をとってくれるか…キミには分かるかい?」
「…」
何も言えなかった。
相手が誰だろうと、傷付けてしまった。
「あ…なんか、ごめん。
八つ当たりしちゃった」
「ううん。
私も酷い事、言っちゃった。
でも、私はまだホントの貴方を知らないからよく分からない。
確かに外見は素敵だと思う。
けれど、まだよく分からない」
自然と、口をついて出た言葉は自分でもびっくりしてしまった。
「…そんな事言われたのはキミが初めてだよ」
橘君が寂しそうに微笑んだ。
