はつこい




放課後。

皆部活があると言って、部活のない私は一人で帰る事になった。

「はーぁ…皆酷いよ」

むしろ部活の曜日を考えずに入った私が悪いのだけども。


「あ…」

下駄箱に入っている靴に手を掛けようとした時、私の視界は一人の人物を捉えた。


「…橘君」

視界に捉えたのは橘君だった。
その瞬間、私の胸は激しく高鳴りだした。

「…っ?」

初めて込み上げてくる感情。
…これは何なのだろう?


「…あれ?
キミ、一人?」

まさかの橘君から話しかけてきた。

「う、うん…。皆部活だから…」

「そっか。
じゃあ一緒に帰らね?」

「えっ?」

耳に飛び込んできた言葉は、私の予想を遥かに超えていた。

「…ダメ?」

「い、いや…そっ、んなこと、ないよ!」

そんな目で見られたら、断ることすら出来ないじゃないの。

「よかった、じゃあ、帰ろう」

そう言って、橘君は歩き出した。