「・・・卯月ちゃんにも、成君にも、謝ったよ。
許してくれるかは・・・分からないけど・ ・・」
続けられた言葉にも、俺は驚きを隠せなかった。
「赤堀、にも言ったんですか・・・?」
片倉先輩はこくんと頷いた。
「どうして・・・?
宮間は、先輩とのこと、赤堀に言わないのに」
不思議だった。
宮間なら、きっと、赤堀に言わない。
なのに、どうして、自分でばらすんだ・・・?
どうして、自分の汚い一面を好きな人にばらせるんだ?
「・・・ずるいでしょ?
本当のことを言わないのは」
薄く笑みを浮かべて、先輩は言った。
「・・・言わないって決めるのは、宮間です。
だから、別に・・・言わなくたってずるくないと思いますけど」
確かに言わないのは、フェアじゃないかもしれない。
だけど、もし、俺が先輩なら・・・きっと、言えない。
そこまで、俺は強くなれない。
片倉先輩は、一瞬目を伏せて、窓の外を仰いだ。
「・・・そうだね。
本当は・・・そんなの建前かもしれない」
そう言った時の瞳は、あまりにも切なくて、尋ねずにはいられなかった。
その切なさの理由を。
「・・・それが、建前なら・・・先輩の本音は?」

