私はどうすることも出来ず、
ただ、そこにずっと立っていた。
看護婦さんの人数が少し減ってから、
私は翔君のところに走っていった。
「翔君!!ねぇ、起きてよ!!
私だよ!!彩だよ?!
お願い、目を開けて…」
しかし翔君は、私の声は全く聞こえないかのように、
すやすやと眠っている。
「翔君!!お願い…。
今日もいっぱい話そうよ…」
私の涙が、翔君の顔に落ちる。
「椎名さん、今は意識不明なんです。
後は私たちに任せてください。
椎名さんは病室に戻ってて下さい」
看護婦さんが横に入って言ってきた。
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