妖怪と人Ⅰ

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「…痛っ………」


はぁ、ついてない。
転校初日で、遅刻するうえに、崖から転落とか………


「……ここどこだ?」


そう呟いてみても、返事はもちろん返ってこない。
真っ白な雪が、辺り一面しき積もっているだけで、人影なんか全くない。




そういえば森で道に迷ったときは、動かない方がいいって誰かが言ってたな。


なんて思いながら、とりあえず動かずにいたが、誰か来る気配もない。


だんだん体も冷えてきて、冷たい手に息をかけながら、僕はかなり不機嫌だった。