妖怪と人Ⅰ




「……ちょっと、トイレ行ってくる。」


そう言って、湊が何か言う前に教室を出た。




トイレの前を通りすぎて、下駄箱に向かった。


(正面の門じゃ先生に見つかるし、どこから出よう…)



「西門なら人に見られる心配もないから、西門がいいんじゃないかな?」



「あぁ!!そっか。ありがとな、湊………………って、ええええええ!!!!湊!?どうしてここに!?」



「転校生を助けようとしたんでしょ?僕も行くよ。」

「え…なんで分かったんだよ」


「悠、嘘下手なんだからすぐ分かったよ」



……そこまで下手か…?
なんか軽くヘコむ…



「そんなことより、早く行こう。怪我してるかもしれない。」



「あぁ。行こう。」


そう言って、靴に履き替えた。