「……ちょっと、トイレ行ってくる。」
そう言って、湊が何か言う前に教室を出た。
トイレの前を通りすぎて、下駄箱に向かった。
(正面の門じゃ先生に見つかるし、どこから出よう…)
「西門なら人に見られる心配もないから、西門がいいんじゃないかな?」
「あぁ!!そっか。ありがとな、湊………………って、ええええええ!!!!湊!?どうしてここに!?」
「転校生を助けようとしたんでしょ?僕も行くよ。」
「え…なんで分かったんだよ」
「悠、嘘下手なんだからすぐ分かったよ」
……そこまで下手か…?
なんか軽くヘコむ…
「そんなことより、早く行こう。怪我してるかもしれない。」
「あぁ。行こう。」
そう言って、靴に履き替えた。

