「うん……」
「ご飯も用意してあるから、ちゃっちゃと食べて謝りなさいよ。」
「ありがと」
そういえば、昼から何にも食べてない。
リビングの扉を開けると、香ばしいカレーの匂いがした。
コンコンッ
「父さん?俺だけど、部屋入ってもいいか?」
カレーを食べ終わった俺は、父さんの部屋の前に来ていた。
「いいぞ」
父さんの声が中から聞こえて、ドアを開けた。
部屋には本棚に本がきれいに整頓されていて、俺の部屋とは大違いだ、と思った。
父さんは椅子に座り、机に向かって作品を書いていた。
父さんは小説家だ。
俺には読めないような難しい本を書いている。
「父さん。さっきはごめん…。実は……妖怪に襲われてて………」

