凛とした声が辺りに響いた。



(この声は………)


聞き覚えがある声に、目だけを向ける。







そこには案の定、鳴海 誠がいた。










「なんだ、お前……いつからそこに居た?」



ひとつ目の妖怪は驚いたような、警戒したような顔で鳴海を見た。



「人間の匂いには敏感な筈の妖怪が僕に気付かないなんて、馬鹿な妖怪もいたんだな」


馬鹿にしたように言う鳴海に、妖怪は怒りを露にした。


「人間ごときが、妖怪に勝てると思ってんのか!?」


「さぁ…やってみないとわからないと思うけど。」



おい…そんな挑発したら妖怪が……