かなり驚いた顔で、鳴海を見た。
なんで………
どうして、知ってるんだ………
「……やっぱりな…」
何も言わなかったことが、答えだと思ったらしい。鳴海は呟いた。
やっぱり……?
こいつと会うのは、今日で初めてだぞ?
しかも『昼間』以外では、会ってない。
誰かがこいつに、教えたのか……?
色んな疑問が頭のなかを埋め尽くす。
「おい。」
突然の鳴海の問いかけに、ビクッ、と肩を上げる。
とにかく、今はここから逃げ出したい。
幸い、靴は履いている。
全速力で逃げれば、追い付けない筈だ。
鳴海が何かいいかけた瞬間、鳴海に背を向けて走り出した。

