妖怪と人Ⅰ




かなり驚いた顔で、鳴海を見た。


なんで………


どうして、知ってるんだ………



「……やっぱりな…」
何も言わなかったことが、答えだと思ったらしい。鳴海は呟いた。




やっぱり……?
こいつと会うのは、今日で初めてだぞ?
しかも『昼間』以外では、会ってない。



誰かがこいつに、教えたのか……?


色んな疑問が頭のなかを埋め尽くす。


「おい。」


突然の鳴海の問いかけに、ビクッ、と肩を上げる。





とにかく、今はここから逃げ出したい。


幸い、靴は履いている。
全速力で逃げれば、追い付けない筈だ。


鳴海が何かいいかけた瞬間、鳴海に背を向けて走り出した。