寒い。 そう呟いて、マフラーを首に巻いた。 なんで田舎ってのはこうも寒いんだ。 心の中で悪態をつきながら、誠は学校へと足を進めた。 鳴海 誠。16歳。 とある事情により、祖母の家で暮らしている。 先日、越してきたばかりで、今日が初めての学校だ。 転校というのは初めての体験だったが、誠は嬉しくも悲しくもない。 はっきり言えば、 興味がない。