小さくそう呟いて、ボクはもう何回目かわからない溜息を落とした。
「ねぇ、1人?」
うつむくボクの、後ろ側。
いきなり耳元で聞こえた声に、ボクはびくっと肩を動かした。
「俺ら、今暇なんだけどさ、一緒に遊びに行かない?」
「……結構です」
気付いたら、両サイドを知らない男の人が歩いてた。
こーゆーのを、ナンパって言うの?
まだ駅前の賑わいが抜けないこの道なら、ナンパをする人がいてもおかしくないかもしれないけど……
こんなこと初めてのボクは、どうやって切り抜ければ良いのかわからない。
「そんな固いこと言わないでよ。リア女って厳しいんでしょ?少しは息抜きも必要だって」
「そうそう。伝統なんて、今時流行んないからさ」
歩くペースを速くしてみたけど、そんなのお構いなしって言うように、男の人達は言葉を続けた。
ジーンズの先から見える、先のとがった靴と香水の匂いが、何となく気に入らない。
少し力を込めてそう言って、ボクはもっと早く歩いてみた。
「ねぇ、無視はやめようよ。ちょっと……」
あっさりと追いつかれて、いきなり腕に手を伸ばされる。
夏服のカッターシャツは、スカートと同じピンクの糸でステッチが入ってて、胸に椿型の校章が付いてる。
当り前だけど半そでのカッターシャツから出た腕に、男の人の手が当たった。
「やめて下さいっ!ボクは……」
「ボク?何それ。君、女の子でしょ?」
「ねぇ、1人?」
うつむくボクの、後ろ側。
いきなり耳元で聞こえた声に、ボクはびくっと肩を動かした。
「俺ら、今暇なんだけどさ、一緒に遊びに行かない?」
「……結構です」
気付いたら、両サイドを知らない男の人が歩いてた。
こーゆーのを、ナンパって言うの?
まだ駅前の賑わいが抜けないこの道なら、ナンパをする人がいてもおかしくないかもしれないけど……
こんなこと初めてのボクは、どうやって切り抜ければ良いのかわからない。
「そんな固いこと言わないでよ。リア女って厳しいんでしょ?少しは息抜きも必要だって」
「そうそう。伝統なんて、今時流行んないからさ」
歩くペースを速くしてみたけど、そんなのお構いなしって言うように、男の人達は言葉を続けた。
ジーンズの先から見える、先のとがった靴と香水の匂いが、何となく気に入らない。
少し力を込めてそう言って、ボクはもっと早く歩いてみた。
「ねぇ、無視はやめようよ。ちょっと……」
あっさりと追いつかれて、いきなり腕に手を伸ばされる。
夏服のカッターシャツは、スカートと同じピンクの糸でステッチが入ってて、胸に椿型の校章が付いてる。
当り前だけど半そでのカッターシャツから出た腕に、男の人の手が当たった。
「やめて下さいっ!ボクは……」
「ボク?何それ。君、女の子でしょ?」


