《ねー。メガネ取って?》 わざとか知らないが上目遣いで言ってきた。普通の女なら鼻血モノだろう。 《嫌です。》 「えーなんでー。いいじゃん減るもんじゃないし。」 『一瞬だけでも陰陽師には命とり。だから嫌です。事務所…「えい!」 『え?』 急に体が空中に浮いて下を見ると、川。あたしは、川に落ちた。 川から素早く上がって、落とした空のほっぺたをつねってやった。 「ごめんあはい…。」 よろしい。と言って、さっきまで飲んでいた水を頭から被って 黒縁眼鏡にかけ直した。