「えっと…。」



言葉を詰まらせる。

頭が凄く熱かった。
「スミレの花言葉は…「坊ちゃん!」「水野夫人…。」



ある40歳くらいの女性が、呼び止めた。
「早くきなさい!」「すみません!」





彼が振り返らないと思い込み、後を去ろうとした時…


「名前…名前はなんですか?」「え…?」




彼の顔がかすかにピンク色に満ちている。
私は小さく口を開けた。



「胡桃…。」