紫陽花


まゆが退院すると、まちには春があふれ始めていた


「もうすぐ桜咲きそうだね」


今ではもうぴんぴんしているまゆが、
俺の隣を歩きながら楽しそうにしている


「そうだな」


「なんか、そっけないんだけど」


そう言うとまゆはほっぺを膨らませた


「ごめんごめん

花見行けるといいな!」


そういうと、ぱーっと花が咲いたような笑顔でうんっとまゆが頷いた