02.Stand by you.


 アタシの目の前には極彩色のネオンに照らされる魚群のように交差する人々の流れが、ただ存在している。





通り過ぎる彼らからすれば、アタシは存在すらしない。





風景の一部ですらない。





それを悲しいと思ったり寂しいと思ったりしない。





その代わり、全てを打ち砕くようにアタシは声を張り上げる。





誰一人、足を止めて聞いてくれなくても。





歌うことだけが今のアタシの理由だから。