ギャルバン!!! 2nd The Re:Bandz!!!!

しかしそこにいたのは―――





「お父さんとの、お話は終わった?」





アタシが越えなければならない壁、『小塚マリコ』が車にもたれて待っていた。





「小塚さん………」





「お父さんから連絡をもらったの。何の準備もなしじゃ大変だろうからって。記者のみなさんには後日会見を条件に帰っていただいたわ」





「会見、するんですか?」





「ええ。こうなったからには、堂々と親子であることを利用することにしたわ。一発大逆転満塁ホームラン打ち上げるわよ。アナタはただ、前向いて走りなさい」





プロデューサーであり、母親である小塚マリコが、父親と同じことを言って笑顔を見せた。





「はい。………お母さん」





「改めて呼ばれると、不思議な感覚ね。アナタのことはずっと教えてもらっていたから」





彼女は助手席側のドアを開けてアタシを迎え入れる。





「でも、悪くない。ありがとう、エル」





そう言って、ドアを閉めた。