「そうね。かっこいい感じに仕上げてあげる。まあ、ちょっと面倒くさい手続きがあるけどね」





「手続き?」





ネオミィは、ニヤリと笑った。





「カエデ。私ね、今の事務所辞めて来月から独立するの。アナタも来ない?」





一瞬、ネオミィが何を言っているのかわからず、彼女の言葉が頭の中をぐるぐると回っていた。





「それは、―――バンドとして? それとも個人?」





「もちろん、DJとして」





「だったら答えは―――」





「答えは?」





ネオミィはウチがどう答えるのかをわかっているに違いない。





わかっていながらこんな回りくどいやり方をしている。





ほしいモノをどんな手段を使っても手に入れるのは、小悪魔なネオミィの得意技だ。





「やっぱり、考えさせて」





「―――そうね。悪い話じゃないから。すぐに決めなくてもいいよ。ゆっくり考えて」