「ただ、今はアナタにチャンスをあげられるようになった。それだけよ」
何とも言えない心地よさがその笑顔から伝わる。
彼女はすぐに奥の部屋からギターケースを持ってきた。
「もらってくれるかな?」
手渡されたケースから取り出したのはフェンダーのギターだった。
「テレキャスのシンライン・デラックスよ。シンラインとデラックスのハイブリッドモデル。本気でやるなら、これ使って」
「いただく理由がありません。こんな高価な物」
「理由? アナタにいい音を出してほしいだけよ」
彼女の視線が真っ直ぐにアタシを射抜く。
「ただ、それだけ―――」
貸して、と言った彼女は笑顔に戻っていた。
「でもね、一つだけ条件があるの」
彼女はストラップを肩にかけてチューニングを確認する。
「祥雲リンナはメンバーから外しなさい。―――リンナのために」
そう言って彼女が弾き始めた曲は、私の知らない曲なのに、どこか懐かしくて切ない。
何とも言えない心地よさがその笑顔から伝わる。
彼女はすぐに奥の部屋からギターケースを持ってきた。
「もらってくれるかな?」
手渡されたケースから取り出したのはフェンダーのギターだった。
「テレキャスのシンライン・デラックスよ。シンラインとデラックスのハイブリッドモデル。本気でやるなら、これ使って」
「いただく理由がありません。こんな高価な物」
「理由? アナタにいい音を出してほしいだけよ」
彼女の視線が真っ直ぐにアタシを射抜く。
「ただ、それだけ―――」
貸して、と言った彼女は笑顔に戻っていた。
「でもね、一つだけ条件があるの」
彼女はストラップを肩にかけてチューニングを確認する。
「祥雲リンナはメンバーから外しなさい。―――リンナのために」
そう言って彼女が弾き始めた曲は、私の知らない曲なのに、どこか懐かしくて切ない。

