ギャルバン!!! 2nd The Re:Bandz!!!!

「ただ、今はアナタにチャンスをあげられるようになった。それだけよ」





何とも言えない心地よさがその笑顔から伝わる。





彼女はすぐに奥の部屋からギターケースを持ってきた。





「もらってくれるかな?」





手渡されたケースから取り出したのはフェンダーのギターだった。





「テレキャスのシンライン・デラックスよ。シンラインとデラックスのハイブリッドモデル。本気でやるなら、これ使って」





「いただく理由がありません。こんな高価な物」





「理由? アナタにいい音を出してほしいだけよ」





彼女の視線が真っ直ぐにアタシを射抜く。





「ただ、それだけ―――」





貸して、と言った彼女は笑顔に戻っていた。





「でもね、一つだけ条件があるの」





彼女はストラップを肩にかけてチューニングを確認する。





「祥雲リンナはメンバーから外しなさい。―――リンナのために」





そう言って彼女が弾き始めた曲は、私の知らない曲なのに、どこか懐かしくて切ない。