「チョコは私のです!」


全く、油断も隙もない。


「センパイは大人しく、店長オススメのイチゴでも食べてて下さい」


「…俺は無類のチョコ好きなんだよ。
次からちゃんと買って来いよな」


なんだ、気が合うじゃん。


ジェラートごときでムキになるちっちゃいオトコの嗜好なのに、しっかりインプットしてしまう健気な私。


頭のキャパは小さいのに、最近どんどん橘センパイ情報が増えてる気がする。
成績下がったらどうしてくれんですか、とセンパイを睨んだとき、


「うわ。
あの彼氏かっこよくない?」


側にいた女子高生がそう囁くのが聞こえた。